資金計画を立てる前に知っておくべきこと
“こんな家を建てたい”って具体的な理想それぞれの人がお持ちかと思います。理想をしっかりと持っていることは大切です。しかし、忘れてはいけないのは、理想というのは実現するためのものです。住宅を手に入れたときに、理想が実現されていなければ後悔することになります。理想の住宅を手に入れるには、知識と覚悟が必要です。
住宅の費用とは?
理想の住宅を手に入れるには資金計画をしっかりすることは大切です。でも、住宅を手に入れるために何を購入するのか本当にわかっていますか?「土地と建物だけだ」と思っている人は、住宅を手に入れる前に失敗してしまいます。車を購入するときを想像してください。車本体の購入費だけを用意していると、税金や手数料がかかることに後から気がつき、予算オーバーになって購入を諦めることになります。何を購入するにしても、何にいくら費用がかかるのか把握しないといけません。日常生活の中では、無意識的にこれを把握し計算していることもあります。金額が小さい時はそれでもいいですが、数千万円かかる住宅の購入で何に費用がかかるのか把握しないのは、自分の生活を追い込むことになるのでやめてください。もし何も知らないから、一から丁寧に教わりたいのなら、以下の講座を受講することをオススメします。
住宅の購入の仕方はさまざま
車の購入方法は新車だけでなく中古という選択肢もありますよね。同じように住宅にも新築と中古があります。新築は誰も住んだことがない完成したばかり家です。一方で中古住宅は以前他の誰かが住んでいて完成してから年数が経っている家です。一般的に住宅の価値は完成してから経過した年数、つまり築年数で計算されます。完成したばかりが高く、年数が経てば経つほど安くなります。なので、新築のほうが中古住宅に比べて高いです。
新築を購入するにも、大きく2種類に別れます。一戸建ての住宅を購入しようと考えている人なら聞いたことがあるともいますが、それが
- ・建売住宅
- ・注文住宅
建売住宅とは、「ハウスメーカや工務店が土地を手に入れて、すでに住宅が完成している住宅」のことです。他方で、注文住宅とは、「自分の理想により近い家を建てるために自分で土地を購入し住宅を建てる」ことです。スポーツ用具を購入するときに、普通の人はスポーツショップに行って、陳列しているものから選びます。一方で、プロ選手は契約を結び、自分のサイズに合ったものを特注品として作ってもらいます。住宅の話に戻すと、建売住宅は誰にでも合うような住宅のこと、注文住宅はまさに特注品、つまりこの世に一つだけの住宅のことです。わかっているとは思いますが、注文住宅は特注品なので建売住宅に比べて費用は高くなります。
中古住宅、建売住宅、注文住宅を価格順に並べると、
- 注文住宅>建売住宅>中古住宅
という関係になります。自分の理想の家を実現させるためには注文住宅が最適だと思うかもしれませんが、建売住宅でも中古住宅でも理想を実現させることは十分に可能です。
建売と注文住宅では費用内容が違う!?
新築の一戸建て住宅を購入する方法には建売住宅と注文住宅の2種類があるという説明はしました。最終的に住宅を手にする点は同じですが、それに至るまでの道のりは全く違います。ということは、それぞれでかかる費用内容や支払うタイミングが違います。ここでは資金の話をしているので、費用内容に絞って見ていきましょう。
建売住宅の費用
建売住宅では、ハウスメーカや不動産会社が建てた住宅を建物だけでなく土地も含めて購入します。ハウスメーカや工務店との契約と決済は基本1回です。売買契約を結んだときに、物件の購入金額を明記し契約書に貼る印紙への税金(印紙税)がかかります。印紙税の額は、物件の購入金額によって違います。
一番費用の金額が大きくなるのは、代金の支払いと住宅の引渡しのときです。車の購入経験がある人はイメージし易いですが、代金だけではなく、手数料や登記費用、税金を支払わないといけません。手間もかかるので金銭面の負担と合わせて2重苦です。
代金の支払いが完了して、住宅の引き渡しとなります。自分の資金だけで支払う場合は購入先の会社の銀行口座へ直接振り込みをします。ただし、多くの人は住宅ローンを利用します。住宅ローンを利用する場合は、利用先の金融機関から会社への振り込みが行われます。契約した会社によっては、仲介手数料を支払う必要があります。金額は会社によってまちまちですが、法律(宅建業法)によって「手数料の上限は、税抜きの代金×3%+6万円」と決まっています。
車を受け取るまでにナンバーの登録費用・登録代行費や自動車取得税、自動車税などを支払わないといけません。これと同じように住宅では、市役所に登録するための登録免許税と登録の代行をしてもらう司法書士への依頼料、不動産を取得したことによる税金(不動産取得税)、住宅の資産価格に応じてかかる固定資産税がかかります。不動産取得税は都道府県税なので住宅を購入する場所によって違います。東京都の場合は以下のように決まっています。
建売住宅の費用を車の費用と比較すると理解がスムーズになります。下の表を参考にしつつ費用の対応関係を押さえるといいでしょう!
注文住宅の費用
注文住宅では、不動産会社から土地を購入し、ハウスメーカや工務店と一緒に建物を建てます。違う会社と契約することになるので、土地の売買契約と建物の施行契約は別々のタイミングで行い、支払いも別々です。ということは契約と決済が2回あることになります。すごく簡単にいえば、建売住宅を購入する流れを2回やってはじめて住宅が自分のものになります。自分の理想により近い住宅を完成させるためには、それなりの手間と時間とお金をかける必要があります。その覚悟がある人が自分の理想を実現できるとも言えるでしょう!
そんな注文住宅にかかる費用を見ていきましょう。建売住宅と同じく、土地の売買契約のときには印紙税がかかり、代金の支払いと所有権を移すときには代金だけでなく不動産会社への手数料と土地の所有権移転登記・司法書士への代行費用がかかります。建売住宅とは違い、土地と住宅を手にするタイミングに時間差があります。なので、注文住宅では土地を購入した時点で土地の所有権を手にします。でも、土地だけあっても意味はないので建物を建てないといけません。農園をやるなら別ですけどね。
まず土地の地盤の強さを調査します。調査は必須ではなく必要に応じて行います。車の購入のときで言う、オプションのようなもので、必要がなければ取り外します。ただし、設計を考えるには地盤の情報はあると便利なので、地盤調査は行っておくことをおすすめします。
調査が終わると、今度は建物の設計を考えるステップに入ります。地盤の強さも考慮し、注文住宅では建てる人の要望を十分に聞きつつ間取りを決めていきます。ハウスメーカや工務店で間取りを決める場合は、設計費用は工事施工費に含まれています。一方で建築設計事務所に設計を任せる場合は、設計費用を工事施工費とは別に支払わないといけません。
間取りが決定したら、ついに建物を建てる段階に入ります。工事施行契約を結んだ時に印紙税がかかり、建物が完成し、代金に支払いが全額完了したら、建物が引き渡されます。このとき、建物は自分のものになっているので、そのことを市役所に登録しないといけません。これが建物の所有権登記です。その他に建売住宅と同様に、不動産取得税や固定資産税を支払わないといけません。
住宅ローンは建売も注文住宅も同じ
建売住宅でも注文住宅でも、住宅ローンを組む金融機関は一つです。申し込みや審査のタイミングは多少変わりますが、住宅ローンの契約内容は同じです。なので、住宅ローンにかかる費用も同じです。住宅ローン自体の価格以外でかかる費用は大きく以下の5つです。
- ・事務手数料
- ・印紙代
- ・登録免許税・司法書士への依頼料
- ・保証料
- ・保険代
ここでは詳しい内容には触れませんが、住宅ローンを組むのにもお金がかかります。住宅ローンだけでも車の購入する流れを1回しています。こう考えると、あれほど大変だと思った車の購入も大して大変ではなかったと感じてしまいますよね。(下の画像は上で表示したものと同じ)
引き渡し後にやるべきこと
住宅が引き渡されたら、あとやるべきことは
- ・引っ越し
- ・電話やネットの整備
引っ越し業者は名前で選ぶのではなく、さまざまな業者に見積もり依頼を出すといいでしょう。同時に複数の業者を呼び、引越価格を競合させてもいいでしょう。こちらが予想していた価格よりも安くなる可能性が高くなるかもしれません。
電話やネットの整備はいままで利用していたものではなく、新しい会社やメーカに変更することで、新規乗り換えの特権があります。利用料金の引き下げやポイントの贈呈などがあります。数社を比較し、自分がいいと思った特権を受けることをおすすめします。
建売住宅を購入するか、注文住宅を建てるか
建売住宅と注文住宅にかかる費用と手間についてわかったと思います。理想を実現させるために注文住宅を建てる覚悟ができたのか、それとも手間が比較的かからない建売住宅を購入するのか悩んでいることでしょう。自分にいくらの資金があるのか把握する前に、建売住宅を購入するのか、それとも注文住宅を建てるもかを選択してください。自分の本心は資金に左右されません。資金を気にして本心を騙してしまうと、途中で「やっぱりこっちではなかった」なんてことを思い、余計な手間がかかるだけでしょう。また、資金のことを考えすぎて、注文住宅を諦めてしまうのはもったいないです。今では注文住宅の価格帯もだいぶ下がってきました。場合によっては1,000万円代で建てることも可能です。スーモカウンターの広告でたまに見かけるでしょう。詳しいことはわかりませんが、何事も先入観にとらわれずに、話を聞いてみることは大切です。気になったら行ってみてください。
最後にもう一度言いますが、自分の理想をどの程度実現したのかで、建売住宅にするか注文住宅にするか決めてください。どちらかに決めて覚悟ができたら、それに向かって頑張れます。〇〇がほしいとなったら、全力で仕事をしたりバイトをしたりしてお金を貯めた経験があると思います。そのときの気持を思い出してください。
資金計画が終わったら、次は展示会に行くステップです。