建築事務所に依頼するときの流れ

注文住宅を建てる人は、こんな家が住みたいという理想が強いはずです。ようやく土地探しが終わって、要望をどんどん伝えて間取りを決めるぞと意気込んでいる方もいるでしょう。でも、ハウスメーカに依頼しても、私の理想の家は建たないと感じたことはありませんか?そういう人は、仕方がないのかと諦めるか、建築事務所に依頼してみるかの二手に分かれます。他の講座で、理想を書き出して、実現させる努力をしようと書いたので、ぜひ後者を選択することをおすすめします。しかし、このときに建築事務所ってどういうところなの?自分とは異世界の住人みたいで怖い…と思っていて、建築事務所を敬遠している人も少なからずいます。ここでは、そんな疑問や不安を解消するために、建築事務所について書いていきます。

建築事務所ってどんなところなの?

建築事務所とか、設計事務所とか、設計建築事務所とか、いろいろな名称で呼ばれているので、それぞれ何が違うのかわからない方が多いでしょう。実は、3つすべてが同じだと考えて大丈夫です(名前をつけている建築家にはこだわりがあると思いますが)。それでは、建築事務所の特徴を見ていきましょう。


特徴その1 設計の自由度が高い

注文住宅を建てようと考えている方の目線から建築事務所を説明するなら、「親身になって依頼主の要望に近い住宅を完成させようとしてくれる」ところ。ハウスメーカとは違い、異本的な住宅の型がないことが特徴の一つ。なので、建築事務所は依頼主の生活にあった設計をゼロから考えて提案してくれます。依頼主の要望がしっかりしていればしているほど、完成する住宅に要望が反映されている傾向にあります。


特徴その2 こだわりや強いがある

建築事務所独自のこだわり・強みがあるということです。依頼主の要望を聞き取った上で、「もっとこうしたほうがいい住宅になるのでは?」とか「ここをこだわるとより満足いただけるのではないか」とさらに提案してきます。依頼主の要望を満たした上で、専門家なりの提案をしてくれます。例えば、ある建築事務所では、住宅自体だけでなく内装のインテリアまでこだわっているところがあります。設計者自身が1つ1つの注文住宅に合ったインテリアを考えて、依頼主に提案してくれます。規格品では注文住宅には合わないところが出てくるので、その住宅に完璧に合ったインテリアを作ろうとしている姿勢がすばらしいです。この根底には、「お客様が住宅に誇りをもてるように全力を尽くす」というこだわりがあるのでしょう。なかなか注文住宅を建てようとする人には、建築事務所どこにこだわって住宅を立てているのか把握することは難しいです。でも、建築事務所の設計者や社長と面談することで、どこに熱い思いを持っているのかは感じるとることができると思います。その熱い思いに共感できたら、その建築事務所との相性を計るといいでしょう。


特徴その3 コストが高い

最後に1点、建築事務所の特徴というかデメリット。コストがハウスメーカや工務店を利用する場合に比べてかかるということです。これは、0から図面を引く手間と工事の監督料が大半を占めます。ハウスメーカの場合は、基本的な図面の仕様が決まっており、簡略的な図面でも施行担当者とやりとりができます。しかし、建築事務所の場合は、施行は工務店が行うため詳細な図面が必要となります。なので、細部まできちんとした図面を描かなくてはいけなくなり、その分手間がかかってしまいます。また、建築事務所は図面を完成させると、工事自体は信頼している工務店に行ってもらいます。このとき、工事の監督として建築事務所の人がやらないといけません。建築事務所が意図したことが建物に反映されているかその時々確認するためです。この2つの理由で建築事務所に依頼するとコストが高くなってしまいます。


建築事務所の特徴はこの3つが主です。依頼主の要望が注文住宅に反映されやすい反面、コストがかかってしまいます。どれくらいコストがかかるかは建築事務所によってまちまちです。とりあえず話を聞きに行くことも大事なので、どうしようと悩んでいるのなら建築事務所に話を聞きに行きましょう。どこの建築事務所に行っていいのかわからなければ、スーモカウンターに紹介してもらってもいいかもしてませんね!

建築事務所がどういうところなのかおおまかにわかったでしょう。では今度は、実際に建築事務所を利用しようとしたときにどのような流れになるのか説明していきます。



注文住宅を依頼するときの流れってどうなっているの?

建築事務所の特徴を理解して、ちょっと興味を持った人は多いのではないでしょうか。「私の注文住宅はどんなのになるのだろう」って想像してしまいますよね。でも、ここでまた新たな疑問が生まれるでしょう。どのように建築事務所を利用していいかということです。普段は無縁だし、まわりにあまり建築事務所を利用した人もいないので情報が少ないでしょう。

建築事務所を利用するタイミングは、注文住宅で土地探しが終わった後からです。それでは、おおまかなステップに沿って、一般的な例を見ていきましょう。


1.初回面談

「私の注文住宅をこの建築事務所ならまかせられそう」とか「この建築事務所に作ってもらいたい」と思ったら、まずは面談に行かないと何も始まりません。初回の面談では、建築事務所がどんな住宅を作ってきたとかどんな住宅を得意としている、どんな流れで注文住宅を完成させていくかなどの説明を受けます。また、依頼主がどのような住宅が希望なのかを簡単にヒアリングされます。後、どこにどのような土地を購入したのか聞かれます。このときの情報を元に、建築事務所が土地の調査を行い、地盤の強さなどを調査します。


2.第1回プランの打ち合わせ

依頼主の土地の調査が終了したら、建築事務所がその調査にもとづいてどのような住宅を建てられるか提案してくれます。これが第1回のプランです。このプランをたたき台にして、依頼主と設計者の議論が始まります。設計者がプランの説明をして、依頼主が質問していくというのが基本形式です。議論を通して、設計者は依頼主の要望をより深く把握していきます。


3.第2回以降の打ち合わせ

第2回以降は打ち合わせで依頼主の要望を把握し、設計者がそれを修正・反映させたプランを提案することの繰り返しです。依頼主が満足できるような提案がなされた時点で打ち合わせが一区切りします。打ち合わせを繰り返していくうちに、内容がどんどん細かくなり、より具体的になるでしょう。小さい模型などを作って見せてもらったりして、「自分が本当に注文住宅を建てるのか」と実感できる頃です。


4.見積書の作成

依頼主が建築事務所の提案に納得されたら、今度は金額の話になります。施工自体は工務店によって行われるので、建築事務所が関係性・信頼性のある工務店に見積もり依頼を出します。一般的に複数の工務店に見積もりを出してもらい、依頼主がどの工務店の見積もりを採用するかを選択します。このときはあくまでも見積もりです。建築事務所によっては、建築事務所自体が概要見積もりを計算して、契約後に工務店に見積もりを依頼するところもあります。建築事務所に注文住宅を依頼されるときは、初回面談で予算と契約のタイミングは確認しましょう。


5.設計監理契約

建築事務所の提案と工務店の見積りに納得したら、建築事務所と設計監理契約を結びます。ここまでは基本計画の段階です。


6.詳細設計

設計監理契約が終わったら、いよいよ施行に向けて細かいところを調整していきます。一般的にこのタイミングで、打ち合わせに工務店も参加します。また、建築確認許可の準備も始まります。


7.確認申請許可

注文住宅の細かいところの調整が終了したら、役所のほうに注文住宅を建てる許可を申請します。


8.工事契約

確認申請が終わったら、工務店と工事契約を結びます。費用や支払い方法、工法、保証内容などの内容が盛り込まれています。


9。着工

建築事務所の監理のもと、工務店が注文住宅の建設を開始します。下の写真はだいぶ高次が進んできたときの様子です。


以上が建築事務所に注文住宅を依頼した場合の流れです。あくまでも一般的な流れなので、注意してください。予算の作成、契約の締結、支払いのタイミングは建築事務所によって違います。自己責任で初回の面談のときにしっかりと確認してください。



ここまで普段は全く関わりがない建築事務所について説明してきました。注文住宅を考えている人は、ハウスメーカか建築事務所、工務店など依頼先には選択肢がいくつかあります。それぞれの特徴と流れを把握した上でどこを利用するか消えてください。ハウスメーカーの工法について知りたい方はこちらを確認してください。

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もしどこに依頼しようか迷っている人がいたら、スーモカウンターで紹介してもらうのもいいかもしれませんよ!